ヒルマ・アフ・クリントの展覧会へ

3年前にドキュメンタリーの映画を見てからずっと気になっていたのですが、日本ではなかなか見れないと思っていたので、いつか海外の大きな美術館での展示を見にくしか方法はないと思っていたところ、まさかの来日!心が踊って、初日に駆け込んでしまいました

その思いもあって、やっと行けた展覧会だったのですが、正直、想像以上に深くて…心の奥まで静かに震えるような時間でした
彼女の絵を見ていると、色や形を通して、「目に見えない世界」に触れているような感覚になります
それはスピリチュアルとか宗教という枠では語れない、もっと純粋な“真理への探究”という感じ
第一印象は、優しい色使いで可愛らしい幾何学的なデザインですが、

紐解いていくとヒルマアフクリントの想いと未知なる世界を追求した壮大な作品ということが見えてきてとても面白い世界を感じることができる展覧会となっていたので紹介したいと思います
青年期から大人を表現した壁画
まずはじめに
印象的だったのは、大きな壁画作品

青年期から大人になるまでの成長を、シンプルな形で描いているシリーズです

最初は丸がひとつ、ふたつ…とシンプルなんだけど、成長するにつれて数が増えたり、分裂したりしていく
まるで細胞分裂みたいで、生命の神秘や進化を感じました

抽象的だけど、すごく生き生きしていて、私たち自身の内側を映しているような感覚
記号や色に込められた深い意味
壁画の中にはアルファベットや色も頻繁に登場します
たとえば「W」は物質、「Y」は精神、
そして「WY」はその融合の瞬間を表しています
また、「H」という文字は高次の存在を意味しているそうです

色にも意味があり、青は女性性、黄色は男性性を象徴しています

作品には小麦が描かれたものもあり、これは物質と精神という対立するものの象徴だと言われています

こうした記号の使い方やモチーフの使い方からも、彼女の探究の深さと幾何学的なだけでなくメッセージ性がある絵だということががうかがえます
円、三角、四角が語ること
ヒルマの絵には、円・三角・四角といった基本的な形がよく登場します
円=宇宙、命、永遠
三角=精神性、上昇、バランス
四角=物質世界、現実、地上

そしてその中に現れる
「黒と白」「生と死」「具象と抽象」
そのコントラストに、わたしたちの世界の構造や本質が潜んでいる

彼女の作品は、内面と外面、現実から意識の世界へ、多層的な様々な次元を行ったり来たりしているような感覚

彼女の絵には、2次元、3次元、4次元からそれ以上の次元を描いている感じで
“今この瞬間に見えている世界”の奥にある、目に見えない空間や構造
そこを絵にしているような、そんな不思議な感覚
とても静かで、澄み切っていて、何か本質を求めて、ずっと追求し続けているような印象を受けました

ヒルマとカンディンスキーの違い
カンディンスキーは“音”を絵にしていたと言われています。
見えないけれど、感じられるもの
でもヒルマ・アフ・クリントが描いていたのは、“宇宙”そのもの。
彼女にとっての「天」、神聖な次元を可視化していたように思います
生命の誕生、意識、輪廻、生と死——
そうした壮大なテーマを絵にしていたことが、今回とても強く伝わってきました
カンディンスキーとは全くの別物
それぞれの“見えないもの”に向ける視点が、まったく違うように感じました

おわりに
彼女の作品には、単なる“美術作品”という枠を超えた力があります
アートを通して、宇宙の仕組みや社会の成り立ち、自分自身の意識の奥深くと出会うような…そんな特別な体験ができました

展覧会は東京国立近代美術館で6/1までやっているので、ぜひ実物のエネルギーを感じてみてください
また、以前書いたブログでヒルマアフクリントの詳しいプロフィールなど紹介してるので良かったら見てみてください↓
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