気がつくと、今年はずっとゴッホに夢中。

今年の年初めに上野で行われたゴッホ展で『糸杉』を目の前にして、ゴッホの絵が持つパワーを実感したのが始まりでした。

この糸杉を見た瞬間

引き込まれて

みぞおちのあたりが温かくなって

だんだんと全身に熱が伝わってその場で動けなくなってしまった作品。

ゴッホが全身全霊で描いたと思われるその絵にはエネルギーが満ちていて

絵からなんか物凄いパワーが出てるんじゃないかと思うほど。

本当に絵の力は不思議で、  

私たちに力をくれる。

このキャンパスの前に

ゴッホが座ってこの絵を描いていたと思うと

同じキャンパスの前に立っているだけで

鳥肌が立ちました。

そして、ゴッホもこの世に存在していたという軌跡を目の前に、圧倒されてただ見つめることしかできませんでした。

このあと、もっとゴッホを知りたいと思い。

原田マハさんの

『たゆたえども沈まず』を読んだところ

世間が思うイメージのゴッホと違う新しい一面を知ることができ、しみじみと感動。

この作品は史実に基づく内容になっているので、改めてゴッホの人生を知るきっかけになりました。

日本の浮世絵との出会いから、日本に憧れ、日本人になりたいとまで思っていたことや、

弟テオとの心温まる兄弟愛。

あと、あの有名な耳切事件の絵は、耳を全部切ってしまったのかと思ってしまうように耳を包帯でぐるぐるに巻かれた自画像でしたが、実際はちょっと耳の端を切ってしまっただけであったりするなど

狂気的なヤバい人のように演出されがちなゴッホですが

マハさんの小説を読み進めていくと、全く逆のような人柄で

自分に自信がなくて繊細で、とても心優しく、常に自然へ畏怖の念を抱き、それを表現するのがとても上手な人だったということがわかります。

そんな感じで、マハさんの小説を教科書のようにしてしっかりとゴッホの魅力にみごとにハマっていきました。

そして、今年はゴッホファン待望の展覧会がもう一つ企画されていました。

世界にゴッホの『ひまわり』の絵は全部で7枚あります。

そのうちの貴重な一枚がロンドンのナショナルギャラリーにあるのですが、それがまさかの初来日!

そのほかにも今まで日本に来たことのない、モネやターナー、ドガなどの61作品が初来日!というわけで、今年のメインの展覧会としてとても楽しみにしていたのですが、開催期間がコロナ自粛期間と丸かぶりだったため延期され、このまま開催されるのかどうかわからないという状況に。

開催を中止したとしても、作品をロンドンに戻すのにも大変な作業らしく、わざわざロンドンのナショナルギャラリーの方々がこちらにきて梱包したり作品に不備がないかチェックするらしく、

その人達がまず日本に来れなくて作品も返すに返せない状況だったとか。

というわけで、無事に展覧会の開催が延期に!

今回の展覧会はかなり貴重なビッグイベントになっていたので、開催と聞いた時にはとても嬉しかったです。

そして、早速観に行きました!

展覧会を観に行っていない人にはネタバレになってしまうので、もしまだこれから観に行く方は見ない方がいいと思います。

今回の作品の中で、ひまわりの次に楽しみにしていた絵があるのですが、

それがターナーです。

ターナーはイギリスの巨匠で光の画家と呼ばれる程、とても素敵な絵を描きます。

舟の絵など海の風景画が多く、海洋風景画とも呼ばれているそうです。

また、イギリス生まれのターナーは、遺言で自分の作品をぜんぶロンドンの美術館に寄付すると言ったので、紆余曲折ありましたが、現在ロンドンでは沢山のターナーの絵を見ることができます。

私はこの人の、光の使い方がすごく好きで、以前、ロンドンに行った際にもターナーの絵を見に行ったり、日本で開催されたターナー展にも行ったりしたほどです。

今回の展示会では1作品のみの展示でしたが、

そのターナーの作品は、遠くから見ても隠せないオーラを纏っていて

一発で『あれ?あそこにターナーいるじゃん!』

(もう友達に話しかける感じ。w)

大興奮でした。

そして、お土産に絵葉書を買おうとしたのですが、光の色がくすんでしまい、実物と全然違ってしまっていたので購入は断念。

目に焼き付けて、ターナーの光は印刷じゃ全然再現できない高度な技術なんだということを実感させられました。

そして、展覧会を進んでいけどもなかなか出てこないひまわり。

ひまわりの部屋に行くまえのところには、モネやセザンヌ、ルノワールなど名だたる巨匠たちがゴッホへの花道を作っている部屋があったのですがそこも、個性豊かでとても楽しむことができました。

とくにここで良かったのが、ドガとゴーギャンの絵が素敵でした。

ドガ↑

↑ゴーギャン

 

海外に行くことがなかなか難しい今。

こうして、ロンドンに行かなくとも、ロンドンに行った気分を味わえるなんて最高すぎる。

そんなことを思ったら、一度じゃ足りず、この間、友人と一緒に2度目のロンドンナショナルギャラリーにいってしまいました。

1度目は一人でゆっくりじっくり堪能。

2度目の楽しみ方は、、、

昨日の夜、ロンドンに着いたばかりで、朝イチで美術館の入り口に並んでいるという設定で

『フライト長かったね〜』

『ロンドン寒すぎるー』

『あそこのカフェ可愛いー!観終わったらあそこでお茶しよー!』

とかヘタな小芝居をしながら入る。

そうすると、入った瞬間、

展覧会の入り口がまさにロンドンナショナルギャラリーの実物の入り口の造りになっているので、もうそこは一気にロンドンに!

想像力が全て。w

小学五年生が考えそうなアイデアですが

意外と気分はロンドンに。

ぜひみなさんも、近くの海外風のカフェとか行く際にはやってみてください。

心地よさが断然変わります。

ただし、本気でバカにならないと使えない裏ワザですw

そして、、、

やはり大トリの『ひまわり』は最後の部屋に堂々と一点だけ飾られていました。

もはや、大御所。

暗い部屋に光がさしたように佇む

念願の『ひまわり』

黄色一色の絵に圧倒されてしまいました。

ひまわりだけじゃなく、背景も全て黄色。

少しずつ、微妙に違う黄色を何色も塗り重ねられている様子はとても複雑で繊細でまさにゴッホという人を表しているようでした。

そして、世界に7枚ある『ひまわり』のうちの1枚が日本の常設展にあるのをご存知ですか?

新宿にあるSOMPO美術館が所蔵していて、

ここの展覧会に行くともれなく最後の常設展のギャラリーで観ることができます。

なぜ日本にひまわりが?と思うかもしれませんが、

19873月、日本はバブル期真っ最中。

安田火災がゴッホの「ひまわり」を当時の史上最高額約58億円で購入したからです。

絵に高額な値段がついたこともあり、日本企業の強さを知らせる世界のトップニュースになったそうです。

そして同年、10月から『ひまわり』は今の美術館で展示されているそうです。

この年の同じ10月にちょうど私も生まれたので、覚えやすく、この『ひまわり』とは勝手に同期と思って親しみを感じています。

何度となく、ここの美術館には行っているので、その度にお目にかかっているのですが。

(以前行ったターナー展もこちらの美術館で開催されていました。)

この、SOMPO美術館のひまわりとロンドンナショナルギャラリーのひまわりは見てわかるように二点とも背景が黄色で絵の構図も一緒なのでビックリするほどそっくりなのです。

実際に、今回のナショナルギャラリーのひまわりの絵葉書を母にお土産に買って行ったところ

『あら、SOMPO美術館に行ってきたの?』

と見間違えるほど。

見分けるポイントは、サインが入っているかどうかが一番わかりやすく、

ロンドンナショナルギャラリーのひまわりには花瓶の横にVincentと水色のサインが。

SOMPO美術館のひまわりにははいっていません。

なので、今回のナショナルギャラリーのひまわりを見た後に、SOMPO美術館のひまわりを見に行って見比べるという贅沢なお遊びも

ぜひオススメです。

そして、最後にひまわりの絵と、糸杉の絵の前でふと思ったことがあるのですが、

普段、この『ひまわり』の絵はロンドンのナショナルギャラリーに。そして『糸杉』の絵は世界屈指のコレクションを持つNYのメトロポリタン美術館にあります。

ロンドンや、NYに行かなくても見れるなんて、ありがたい時代だなと思う反面

また今度はロンドンや、NYで見に行こう。

という思いも湧いてきてしまいました。

絵の前で、誰にいうわけでもなく

絵のために易々と国境を越えようとしている自分にびっくりするとともに、

これがアートの魅力でもあり魔力でもあるなと。

アートの沼にハマった瞬間でした。

最近は、アートの愛好家は長生きするということが大学の調査でわかってきているらしく

https://forbesjapan.com/articles/detail/31520/1/1/1

健康オタクながら、最高の趣味を見つけてしまったなと。

心の中で、しめしめとニヤけてしまった自分がいました。

そして、長寿とは反対の短命で37歳でこの世を去ったゴッホ。

本人はいなくても

その絵は今生きている誰よりも長生きで、

素晴らしいエネルギーを放っているということには間違い無いという事実。

マハさん曰く、

『アートは永遠の命をもっている

肉体や、姿形は滅びる

けれど

その人が造ったアートは残る

彼の魂は残っている』

アートはある意味、不老長寿だな〜としみじみ

永遠の命を求めるなら、クリエイトしていくのが最強の方法かもしれません。

おまけ。

ゴッホのシャンプー

最近はアートにも流行の波が??

ということで、いろんなコラボ商品が沢山出ています。

そのなかでも感動したのが、

ゴッホが弟テオの子供が生まれた時に贈ったとされる『花咲くアーモンド』の絵がプリントされたシャンプー。お気に入りを生活に取り入れるのも気分が上がるので不老長寿に繋がりそうですw

以上、今回はアートなブログをお届けしました。

〈今月のおすすめ本〉

素敵な芸術の秋を〜🐈🐈🐈

あんにょーん。