I went to the saul leiter exhibition

2017年、同じ会場の渋谷のbunkamura ザ・ミュージアムで行われたソールライター展からはや3年。

生前、撮り溜めていたたくさんのフイルムが今も新たに発掘されて、今回もたくさんの素敵な作品を見ることができました。

ソールライターは写真家。

ソール・ライター 《セルフ・ポートレート》 1950年代、ゼラチン・シルバー・プリント ⒸSaul Leiter Foundation

画家を目指しNYへ、趣味の写真の才能が開花してファッションフォトグラファーに。

その後、ファッション写真家を引退し姿を消したのですが、その間にもソールライターは自分の表現を実験したくさんの写真を残していました。

その色使いが素晴らしくて、再び世間の脚光を浴びることになります。

 《薄紅色の傘》 1950年代、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation

『私は色が好きだった。たとえ多くの写真家が軽んじたり。表面的だと思ったりしても。』という言葉を残しているくらいソールライターの写真は色彩感覚や、空間使いがとても独特で趣がある写真ばかり。

展覧会ではそんな写真と共に、ソールライターの残した言葉が一緒に添えられていて、哲学的な深い思考を持つ一面に触れることもできました。

 

その言葉たちが、素敵だったのでネタバレになってしまいますが、シェアしたいと思います。(まだこれから見に行く!という方はここまでにしておいてください。)

《帽子》 1960年頃、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation

『神秘的なことは、馴染み深いところで起こる。なにも、世界の裏側まで行く必要ないのだ。』

目の前の日常にこそ求めてることがあると教えてくれる一言。

『私の好きな写真は、なにも写ってないように見えて片隅で謎が起きている写真だ』

ソール・ライター 高架鉄道から 1955頃 発色現像方式印画 (C) Saul Leiter Foundation

注意してみていくと、ソールライターの遊び心がたっぷり詰まっていて、写真に謎解きが隠されていて、どう撮ったのか考えながら見るのがとても面白かったです。

ソール・ライター 夜のバス 1950頃 発色現像方式印画 (C) Saul Leiter Foundation

そして、一番心に残ったのはこの言葉

『世界は他人への期待で満ちている、期待を無視する勇気があれば、面倒を楽しむこともできる』

高名なユダヤ教の聖職者の父の下に生まれたソール・ライターは、厳しい教育のもと育ち、神学校に通い窮屈な生活を送っていましたが、遂には我慢できず夜行バスでNYに行ってしまいます。

ちょっと前にゴッホの本を読んでいたのを思い出し、ゴッホも聖職者の家庭で育ち、一時期は聖職者になる為に勉強していましたが途中で挫折。

生い立ちがよく似ていて、とても繊細な2

神様はそんな2人を見放さず芸術の世界で生かし、私たちに魂のこもった作品の数々で世界を楽しむことを見せてくれました。

『私はシンプルに世界を見ている。

それは尽きせぬ喜びの源』

自然や日常を愛し、芸術にしていく様は少し泥臭くて周りは心配したかもしれませんが、

その仕上がりは

とても美しくて

残された作品は

魂のこもった

永遠でした。

ソール・ライター ニューヨーク 1950年代 ゼラチン・シルバー・プリント ⒸSaul Leiter Foundatio

2020/3/8まで@渋谷bunkamura ザ・ミュージアム

https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_saulleiter/

#永遠のソールライター

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